働く女性たちへ 上質な今日をつくろう! CLASS(クラス)

働く女性たちへ上質な今日をつくろう!

“誰か”を思い遣る気持ちを原動力に  Part1

教育機関や企業で講演や研修の講師として活躍されている鳥居佳子さん。

キャリアトランプの認定講師として、人材育成にも携わっていらっしゃいます。

3人のお子さまが独立・ご結婚され、これまでの家庭との両立から「両立」の形が変わりつつある現在です。

これまでを振り返りつつ、今の気持ちや今後のことをお話いただきました。

 

■「安心安全の場」づくりの原点

 

-大学を卒業された後、ドイツ系総合商社に入社され、お一人目の出産では育児休暇を取得し、お二人目の出産を期に退職されたそうですが。

はい。でも、じっとしていられなくて、地元でキッズクラブを立ち上げました。

ちょうど、住んでいたマンションに集会室があったので、そこを借りて集まるようにしました。

 

せっかくほぼ毎日、子供たちやお母さんが、子ども達が遊ぶために集まっているなら、何か有意義なことをしようと思って。

手遊びや牛乳パックでおもちゃを作りからはじめて、ときにはお弁当を持ってお出かけ企画もしていました。

 

子供たちが何かちっちゃなことでも、やりとげたときの達成感を味わえたり、共有感や、お互いを承認しあうこと、コミュニケーションをとることを感じてもらえたら良いと思っていました。

 

むずかしい言い方をしたけど、「みんな仲間なんだよ~」ってことですね。

 

そして、いつも安心安全の場を心がけていました。子供にとっても大人にとっても…。「誰が来ても良いんだよ~。」て、声をかけて。

 

子供のための“場”とか言いながら、子供の年齢層が違うと、親同士でアドバイスが聞けたりして、ママのための“場”でもありましたね。

 

■家族の絆

 

-その後、お引越しをされたそうですね。

ええ。子どもに持病があったんですが、病気の状態があまり芳しくなくて、大学病院にかかるために実家の近くへ引っ越しました。引っ越して半年くらいは、実家に居候をしていたのですが、夫が転勤できることになったので、実家を出て社宅に入りました。

上の子は2年間で、3回も小学校を変わってしましましたね。

 

-入退院を繰り返されるお子さまの病気と向き合われる中で逃げたくなるようなときはありましたか?

ありませんでした。それは、一回もなかったんです。考えようと思ったこともなかったと思います。

悲観することも全然ありませんでしたし、「何で自分がこんな目に」と思うこともありませんでした。

子どもに対して「申し訳ない」とか、「代われたら、代わってあげるのに…」とか、そういう気持ちはありましたけど、周りの人と比較をしたり、外に対してぶつける気持ちはありませんでした。

本当に周りの人達に助けられて、支えてもらっていましたから。

 

-子どもさんの病状が危険な時期もあったそうですがどのような気持ちで向き合われていましたか?

最悪は考えなかったんです。本当にポジティブ思考で「元気になったら何してあげよう」って、ずっと考えていましたね。

ICUで、意識が戻ったとき、「ここどこだろう? みんな生きいてるのかな?」と子どもは思ったそうです。

ICUだったので、看護師さんも部屋もいつもの病棟と違いますし、浦島太郎になったような感覚だったみたいです。

最初にお祖母ちゃんが面会にきて、歳も取らずそのままの姿だったことで、やっと現実の世界だと認識できるような状態だったようです。

 

私も駆けつけて喜びあったあと、すぐに「携帯キーボードいる?どうする?」って聞いたんです。子どもにしたら、「???」。ようやく現実の世界に戻ってきたところなのに…と、困惑していました。

 

私は「すぐには起き上がれないし、何か伝えるためには、そういう物があった方が良いかな」と、ずっと考えていたんです。「意識が戻ったら、買ってあげよう」と、ずっと思っていたんです。最悪の状態より、意識が戻ったらどうしてあげたら良いか、会えない姉妹に、言葉や気持ちを伝える手立てはどうしたらよいかな…ということばかりを考えていましたね。

 

-自然とそうなっていたんですね。

今考えると、ある意味、現実逃避だったのかもしれないけれど、あがいている感じはありませんでした。

 

姉妹も、まだ小さかったのに本当に協力的で、3人ともお互いに思い遣っていました。3人がつながることが頑張れる気持ちになると、信じていたんですね。

 

-その鳥居さんの人を“思い遣る気持ち”がお子さまたちにもしっかり伝わっていますね。

ええ。子どもたちには自然と、仲がいい以上の関係ができているように思います。

子どもたちは、家は居心地が良いと今でも言います。

 

子どもたちには「こうしなきゃ!」と押し付けるのではなくて、子どもたちがやりたいといったことは、「どうしてそう思うの?」「じゃ、やってごらん」と、背中を押していました。子どもたちには『自分で考えて行動する』ということが、身についているように思います。

 

下の子が小学校の中学年になった頃から、仕事を始めたこともあるかもしれませんね。

100%子供に時間をあてられていた訳ではないので。それもあってのことかもしれません。

 

でも、お弁当はきちんと作っていましたよ。子供たちには「たまには学食にも行きたかった~」って、言われるくらい。

 

■やらなきゃやらないことはやる!

 

-親ってありがたいですね。

そうですね。ひとつのコミュニケーションですね…。親って本当に無償の愛。見返りを求めない、ってことですね。

 

反面、私は、何かしなきゃいけないことに手を抜かないところがあって、もしかしたら、子供たちはしんどかったかもしれないけれど。子供のころ、私はピアノを習っていて、あまり好きじゃなかったんですが、やらなきゃならないことはやるって。手を抜かなかった。でも、わりと早く辞めちゃいましたけどね。やっぱり、好きじゃないと続かないですね。

 

小学校からママさんまで、ずっとハマっていたバレーボールに対しては、どうしたら強くなれるかを常に考えていました。学校でもクラブでも、学年の代表だったり、キャプテンという立場の自分は頑張るけど、そうじゃない思いの人もいる中で、「どうすれば皆が頑張れる同じ方向で気持ちになるのかな」とか、「いろんな思いの人がいる中で、どうしたら強くうまくなれるかな」とか考えていましたね。

 

-手抜きをされることは?

ありますよ。手抜き料理とかはしますよ。でも、全く料理を作らないことはありませんでしたね。

「まあいいか」とできたら、良かったのかも。子供たちは楽だったかもしれません。

「やらなきゃならないことはやる」が我が家(私の?)の当たり前だったので。

 

-成長していかれる中で家庭と社会とのギャップを

感じて子供さんたちからの反発はなかったのでしょうか?

子供たちは、不思議なくらい素直でした。家族が入院している期間が長いと、きょうだい同士や親への、思いやりやいたわりの気持ちができたのかもしれません。そんな気持ちや行動に、反対に随分私も癒されました。

小さいころから、『家族会議』と称して、みんなで集まって、「今日嫌だったことは何かあった?」と聞くと、些細なことでも、自分のことでも周りで起きたことでも話をします。それにみんなで、「うんうん」と聴きながらその気持ちも受け止めてあげる。

そのあとで、「じゃぁ、今日楽しかったことや嬉しかったことある?」って聞くと、また、みんなが率先して手を上げて、その日の良かったことを話してくれるんです。そんな時間がみんな大好きで、『「家族会議」するよ~』というと、みんなおやつを用意して、さっと集まってきましたね。

自分の気持ちを家族には何を言ってもいいんだ、って思えていたみたいです。

 

“誰か”を思い遣る気持ちを原動力に   Part2へ続く

鳥居佳子さんが校長をされているキャリアトランプ認定校Attractive ONE 

 

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